こんにちは、ファシリカ高崎駅前の市村です。
タイトルにある「私の個人主義」は漱石が学習院の学生に向けて講演をした時の記録を収めた本です。
内容としては、前半がいかに漱石が自分の進むべき道に悩み、その道を発見したか、後半が「自由」と「義務」、「自由」と「道徳」について語られるという内容です。
この前半部分には、私達が今直面している「人生の目標」の見つけ方について書かれています。
漱石は、「私はこの世に生れた以上何かしなければならん、といって何をして好いか少しも見当がつかない。私はちょうど霧の中に閉じ込められた孤独の人間のように立ち竦くんでしまったのです。」といい、進むべき道に悩んだことを話しています。彼は自分が何をするべきかについて悩んだあげく、自分の血肉が足らない他者の考えや意見だけでは、その答えにたどり着けないのだと悟ります。 そして「文学とは何か」という問いは、自分で考え、自分で答えを見つける以外に、明らかにする道はないのだという考えに至ります。
人生の目標とは何か、その見つけ方について自分自身を振り返るきっかけになる良書です。
もし、自分が何をしたいのか、どうなりたいのかを思い悩んでいる方は、ぜひ一度この本をお読みください。少しだけ前に進んでみようという気持ちになれると思います。